【日系人収容】『They Called Us Enemy』by George Takeiの感想・レビュー
こんにちは。ゆずまるです◎
今回は、コミックです!第2次世界大戦中の日系人収容所での経験を漫画で伝えてくれる、『They Called Us Emeny』です。
【一言でいうと】
・・・という感じかと思います。
【内容】
- 作者の、George Takei は Star Trek で有名な俳優で、また影響力のある活動家でもあります。最近のアジア人へのヘイトクライムに対しても、Anderson Cooper とCNN で対談もしていました。
- 作者は、LAに住んでいた時に、両親とともに収容所に送られる経験をします。マンガでは、純朴で元気いっぱいの子どもの頃の作者と、不安や苛立ちを見せる両親の対比が印象的に書かれています。
- 戦争が長引くとともに、収容所での日系人の反発が強くなっていくことや、日系人内での状況や考え方の違い、そしてアメリカの反民主的な立法の歴史も含まれていて、歴史を学ぶにも非常にいい本だと思います。英語も簡単なので子どもにも読ませてあげたいと思いました。
【洋書としてのレベル】
- 簡単ですし、やや単語が分からなくてもマンガなので無理なく読めると思います。
【感想・考察】
- 日系人収容については、日本にいるときより、アメリカに来てからの方がよく耳にする歴史です。それほど、この一連の出来事は、反民主的で、アメリカの歴史に陰を落とすものと認識されていると感じます。当時のFDR大統領、議会、そして最高裁までもこの措置を認めていて、国ぐるみで行った過ち、なんですよね。
- George Takei もCNNのインタビューで言っていましたが、アジア人ヘイトクライムは新しいものではなく、中国からの移民が苦力として働いていた1800年代からあったものであり、歴史的には日系人収容もアジア人ヘイトの一環と捉えられることができると、改めてこの本は教えてくれました。
- また、収容所での日系人のアイデンティティの揺れ方も印象的でした。もともと軍に所属していた人はいったんは除隊させられたものの、その後復帰し、アメリカのために英雄的な活躍をします。一方で、アメリカという国に失望し、過激化する層もいたり。
アメリカ人なのに敵とみなされ、一方で、祖父母や両親が日本にいたりする人もいて、日本を捨てきれない、、2つの国に挟まれる中での人々の苦悩がひしひしと伝わってきました。 - 著者はそれでも、民主主義への希望、民主主義の進歩を信じ、今なお活動していて、非常に感銘を受けました。また、ハワイの日系人の歴史についても機会があれば、フォローしていきたいです。
以上です、非常に読みやすい本だと思いますし、日本の歴史にも非常に関連がありますので、是非読んでみてください!
ゆずまる◎