【仕事と家庭】『Becoming』by Michelle Obama の感想・レビュー

こんにちは。ゆずまるです◎

今回は、アメリカで飛ぶように売れていたミシェル・オバマ回顧録『Becoming』についてです。先日バラクの本について書きましたが、あわせて読むとまた二人の比較もできて面白いですね。

 

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 【一言でいうと】

  • ミシェル夫人ファースト・レディとしてではなく、内面が見られる
  • 特に、キャリアと家庭の両立で悩み続けるところに共感!

    ・・・です。

【内容】

  • 生い立ちから始まり、ファーストレディの仕事を全うするまでのミシェル夫人回顧録
  • 並外れた努力でキャリアを駆け上る職業人としての側面、家族・娘思いの側面、バラクのパートナーとしての側面など、様々なミシェルの顔が垣間見れます。
  • 事・家庭・バラクのサポート全部やろうとするのは難しくて、常に悩み続けます。雲の上のファーストレディのイメージではなく、一個人の内面が見られるところです。
  • また、初めての黒人大統領夫人ということで、どのように大統領選挙の過程で注目され・攻撃されたか、ホワイトハウスをどういう場所にしたいか、政治の話もちらほら。
  • いち個人がホワイトハウスに住むといかに不自由か、また、どれほど機会に満ち溢れているかも、面白く書かれています。 

【洋書としてのレベル】

  • 読みやすく書かれていますが、結構語彙は難しかったと思います。分厚いので結構な長旅でした。。

【感想・考察】

  • 一番最初に思うのは、(ミシェルとは次元が違いますが)やっぱり仕事と家庭の両立というのは本当に誰もが悩むことなんですね、ということです。

  • それが前面にでるのが、ラクが上院選挙や大統領選挙に出るたびごとに、「そしたら家庭のこと誰がやんの?」と夫婦間で衝突するときです。

  • ミシェルもスーパーエリートで自分のキャリアを歩んでいて、すでのバラクは結構なほど家族のケアをミシェルにお願いしていて、その上さらに、選挙の手伝い・・?という至極全うな理由での衝突。

  • ミシェルも決してバラクの夢の邪魔をしたいわけではないんですが、夫の夢のせいで自分のキャリアを中断するのもなんかおかしい。。というグルグル回る悩みが、なんともリアルで共感できますw。

  • カップル間の子どもの面倒のバランスというのは、本当にカップルごとに悩むところなんでしょうね。聖人君主のようなラクも結局ミシェルに家庭のことは頼りまくりで、「なんだかんだ奥さんにしわ寄せがくる」という構造はどこから来るのか、と考えてしまいます。

  • 次に胸に残ったのは、ミシェルとバラクの政治に対する考え方の違いです。
    あんなにファーストレディとして大活躍するミシェルですが、当初政治家にいい印象を持っていなく、そもそもバラクの政治的野心に懐疑的でした。

  • 彼女のお父さんも医者不信でしたし、シカゴの黒人が多い地域に生まれ、育ったバックグラウンドが彼女の政治不信につながっていたかもしれません(アメリカでは黒人というだけで、警官に止められたりして、黒人の人は政治に対する不信が一般に強い)。

  • 一方、バラクは、お父さんはケニア人でお母さんは白人なので、初めての黒人大統領と呼ばれていますが、黒人と白人の子どもなので、「そもそもバラクは黒人なのか」という議論もアメリカではあります。
    このような生い立ちの違い・人種問題が根深いアメリカ社会が、二人の政治に対する思いの違いに影響しているかもしれませんね。

 

以上です。上記以外にも素晴らしいミシェルの活躍が盛り沢山ですので、是非読んでみてください!

 

ゆずまる◎